記憶を整理する海馬
脳には海馬と呼ばれる記憶をする際に重要な役割の部位があります。
海馬の働きは、記憶を整理することです。
海馬は脳に入ってきた情報を必要な情報とそうでない情報を分けます。
私たちの記憶力は海馬の大きさと関係していることがわかっています。
海馬が大きければ記憶力も良いということができます。
一方で海馬が充分に育っていなければ、記憶の定着は悪くなります。
認知症の人は海馬が縮んでしまっているというので記憶が曖昧になっています。
記憶の種類
記憶の種類について説明します。記憶には3つの種類が存在します。
- 感覚記憶
- 短期記憶
- 長期記憶
感覚記憶
感覚記憶とは、五感を活用して手に入れた情報の記憶です。
例えば、学校に行く時にたくさんの人や車などが目に入りますよね。
すれ違った人の顔を覚えている人は少ないと思います。
また、目で見たことだけではなく耳で聞いた音もあります。
しかし、こうした情報はほとんど覚えていません。
それもそのはずで、視覚と聴覚だけでも大量の情報量があるのに
さらに嗅覚・触覚・味覚も合わせて全てを記憶すると脳がパンクしてしまいます。
この感覚記憶は1〜4秒で忘れてしまうと言われています。
忘れるまで最短なのがこの感覚記憶になります。
短期記憶
短期記憶とは感覚記憶よりも長く覚えることができる記憶のことです。
例えば、初対面の人に最初は自己紹介しますよね。
ですが、名前を聞いてすぐに覚えても、
1ヶ月後会ったときには名前が出てこないということがよくあります。
脳の中には情報が入っているのですが、
その情報がどこにしまっているのかわからなくなっているのです。
短期記憶については不明なことも未だ多く、
どれくらい記憶が保存されるのかわかっていないですが、
一年は残るという研究もあります。
長期記憶
長期記憶はいつでも取り出せる状態になっている記憶になります。
例えば、自宅の場所や自分の誕生日などは忘れることはありません。
長期記憶に情報を整理すると半永久的に覚え置けるので、
勉強した知識や大切な情報などはできる限り長期記憶にしておく必要があります。
海馬と睡眠には深い関係性がある
海馬の大きさは生まれつきのものではなく、海馬は自分の力で大きくすることができます。
人間の脳の神経細胞は生まれてから死ぬまで右肩下がりで減っていきます。
しかし、海馬は例外でなんと増やすことができます。
そしてこの海馬の成長と深く関係しているのが睡眠になります。
脳科学的に学習と睡眠は極めて密接な関係があることがわかっています。
充分な睡眠によって海馬が育ちますし、睡眠不足は逆に海馬を縮ませてしまいます。
必要な睡眠をきちんと取れていないとそれだけ、学習効率が下がってしまいます。
海馬を鍛えるどれだけ睡眠時間が必要なのか
海馬を鍛えるどれだけ睡眠時間が必要なのかですが、
アメリカの国立睡眠財団の発表によると以下のように言われています。
- 中学受験を控えた学生:9~11時間
- 高校受験を控えた学生:8~10時間
最低でも8時間は睡眠時間を確保することが重要です。
受験生にとっては寝ることも勉強のうちだと思い、しっかりと睡眠時間を確保しましょう。
暗記するなら寝る前が一番ベスト
脳は睡眠の途中に記憶を整理しており、必要な情報といらない情報を吟味しています。
だからこそ、長期記憶に勉強した記憶を定着させたい場合は、
睡眠の時間もしっかりと考慮する方が脳科学的に最も正しい勉強方法です。
ですので、英単語などを暗記をするのであれば、朝よりも寝る前の夜の時間が最適です。
- 漢字の書き取り
- 英単語の暗記
- 日本史の年号
- 古典の単語
そして勉強を終えたら、すぐに寝てください。なるべく何もせず本当にすぐ寝てください。
勉強と睡眠の間になるべく何もしないことが、
勉強した内容を効率よく定着させる秘訣です。
せっかく暗記したのに脳の中で記憶がミックスされてしまい、
肝心の勉強内容が抜けてしまいます。これを記憶の記憶の撹乱と呼びます。
なので、暗記したあとにテレビを見たりスマホを見ると
暗記した情報とテレビやスマホの情報が脳内で混ざってしまうので、
脳にうまく保存されることができなくなってしまうのです。
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