模試の判定が思うように上がらず、「今までの努力は何だったのか」と机の前で手が止まったことはありませんか。
結論から言うと、結果が出ない時期があること自体は珍しいことではありません。
問題なのは、一回一回の結果を「勝ち負け」として受け止めてしまうと、負けたと感じた瞬間に心が折れやすくなるという点です。
結果でなく「続けること」自体を目的として捉え直す視点を持つと、一度の失敗で受験勉強そのものをやめてしまう事態を防ぎやすくなる、という考え方があります。
模試の結果に一喜一憂して心が折れそうになるのは自然なこと
模試の判定や小テストの点数が下がると、「今までの努力が無駄だったのではないか」と感じてしまうことがあります。
これは特別に弱いからではなく、多くの受験生に共通して起こりやすい反応です。
なぜ模試の判定に一喜一憂してしまうのか
模試は本来、現在の理解度を確認するための通過点にすぎません。
しかし「合格」「不合格」に近いイメージで結果を受け止めると、一回の判定が受験そのものの勝敗であるかのように感じられてしまいます。
「結果」を勝敗として捉えると心が折れやすい理由
一つの結果を「勝ち」か「負け」かで区切ってしまうと、負けたと感じた時点で「もう終わりにしたい」という気持ちが生まれやすくなります。
次の章で紹介する「有限のゲーム」という捉え方は、この心理の仕組みを説明するヒントになります。
頑張ること自体が目的になっているわけではない
ここで注意したいのは、結果を気にしすぎないことと、頑張ること自体を目的にすることは別だという点です。
志望校合格という目的を見失わないためにこそ、日々の一喜一憂に振り回されない土台を持つことが重要になります。
「有限のゲーム」と「無限のゲーム」という視点
アメリカの思想家ジェームズ・カースは、著書『Finite and Infinite Games(有限のゲームと無限のゲーム)』の中で、人の営みを二つのタイプの「ゲーム」として説明しています。
有限のゲームとは何か
有限のゲームとは、勝敗を決めて終わらせることを目的とする営みです。
将棋の対局やスポーツの試合のように、ルールと期限が決まっていて、勝者が決まった時点でゲームが終わります。
無限のゲームとは何か
無限のゲームとは、勝敗ではなく、プレイを続けること自体を目的とする営みです。
ルールや参加者が変化しながらも、ゲームを終わらせないことそのものが目的になっている状態を指します。
受験勉強にあてはめるとどう見えるか
模試の結果を「勝敗」として受け止めてしまう状態は、受験勉強を有限のゲームとして捉えている状態に近いといえます。
一方で、結果に関わらず学び続けることを軸に置く捉え方は、無限のゲーム的な発想に近いものです。
どちらが正しいという話ではなく、どちらの視点で今の状況を見ているかによって、心の折れやすさが変わる、という捉え方です。
| 捉え方 | 結果の位置づけ | 起きやすい心理 |
|---|---|---|
| 有限のゲーム的な発想 | 1回の結果が勝敗そのもの | 負けたと感じた時点でやめたくなる |
| 無限のゲーム的な発想 | 1回の結果は通過点 | 結果に関わらず次に進みやすい |
この考え方は受験勉強に限った話ではなく、著者サイモン・シネックが著書『The Infinite Game』でビジネスに応用したことでも知られています。
続けているだけで、周囲との差が自然に開いていく理由
無限のゲームという視点と合わせて、「上位に到達できるかどうかは、離脱せずに続けられたかどうかで決まる」という考え方も紹介されています。
「勝つ」でなく「離脱しない」ことが条件になるという捉え方
この考え方では、特別な才能がなくても、途中でやめなかった人が結果的に上位に残りやすい、とされています。
受験勉強に限らず、多くの取り組みでは、結果が出ない時期に耐えられず、自分から離脱していく人が一定数います。
周囲と比べて優れているかどうかよりも、続けているかどうかが分かれ目になる、という発想です。
この考え方を鵜呑みにしすぎないための注意点
この主張の位置づけについて
「続けた人が上位に残りやすい」という主張は、厳密な統計調査に基づくものではなく、継続の大切さを説明するための一つの捉え方として紹介されているものです。
続けさえすれば必ず上位に入れる、という保証ではありません。あくまで、結果が出ない時期にやめてしまわないための支えとして参考にしてください。
今日から実践できる、「続けること」を目的にする3つの工夫
視点を切り替えるだけでなく、続けやすくするための具体的な工夫もあわせて紹介します。
模試や小テストを「通過点」として記録する
結果が出た直後に、点数や判定だけでなく「次にどこを見直すか」を1行でも書き残しておきましょう。
たとえば「化学の理論分野を来週までに復習する」のように、次の行動を1行だけ書くだけで十分です。
結果を「終わり」ではなく「次への材料」として扱う習慣が身につきます。
結果でなく「続けた記録」をつける
点数の良し悪しに関わらず、「今日も机に向かった」という行動自体をカレンダーやノートに記録します。
続いている実感が可視化されると、一回の悪い結果で投げ出しにくくなります。
1回の失敗で「もうやめよう」と決めない仕組みを先に作る
結果が悪かったときにどう行動するかを、結果が出る前にあらかじめ決めておきます。
「次の模試まではこのやり方を続ける」など、判断の基準を先に用意しておくと、感情だけで続行や中断を決めずに済みます。
今日からできる3つの工夫
- 結果を「通過点」として記録し、次への材料に変える
- 点数でなく「続けた日数・行動」自体を記録する
- 結果が出る前に、次にどう動くかを決めておく
「やり抜く力が足りない」と思い込む前に確認したいこと
結果が出ないと、「自分にはGRIT(やり抜く力)が足りないのでは」と、自分の性格や根性の問題に結びつけてしまいがちです。
しかし、GRITやコンフォートゾーンといった考え方と、今回紹介した無限のゲームという視点は、そもそも扱っている問題が違います。
GRITは「困難を耐える力」、無限のゲームは「捉え方」の話
GRITは、困難があっても粘り強く取り組む力そのものを指す考え方です。
一方で無限のゲームという視点は、力の強さではなく、結果をどう位置づけて受け止めるかという「捉え方」の違いに焦点を当てています。
やり抜く力の鍛え方について詳しく知りたい方は、GRIT(やり抜く力)の鍛え方を紹介した記事もあわせてご覧ください。
コンフォートゾーンを抜け出す話との関係
コンフォートゾーンの話は、慣れた環境から一歩踏み出して成長するための考え方です。
無限のゲームという視点は、踏み出した後に結果が出ない時期をどう乗り越えるかという、一歩先の場面を支える考え方だといえます。
関連して、コンフォートゾーンを抜け出す考え方について知りたい方は、こちらの記事も参考になります。
どれか一つでなく、状況に応じて組み合わせる
GRIT、コンフォートゾーン、無限のゲームは、どれか一つが正解というものではありません。
踏み出す力が必要な場面ではコンフォートゾーンの視点を、粘り強さが必要な場面ではGRITの視点を活用できます。
そして、結果に振り回されそうな場面では、無限のゲームの視点を状況に応じて使い分けることができます。
一人で「続ける仕組み」を作るのが難しいときの選択肢
結果を通過点として記録したり、続けた行動を可視化したりする工夫は、一人で毎日続けようとするほど負担が大きくなる面もあります。
My Self_Learnでは、化学の授業に加えて単元別の確認テストやテストゼミを行い、理解度を区切りながら確認できる仕組みを用意しています。
結果が出た直後に「次に何をやるか」を一緒に整理し、学習計画へ反映していく学習管理も行っているため、一人で続ける仕組みを作る負担を減らす役割も果たします。
化学対策や個別の弱点確認とあわせて、松山市で塾を検討している方は候補の一つとして参考にしてみてください。
「続けること」を目的にする考え方についてよくある質問
ここでは、この考え方に関してよく聞かれる質問に答えます。
Q. モチベーションが全く上がらないときはどうすればいいですか。
やる気が出ない原因は、疲労や睡眠不足など別の要因が関係している場合もあります。
気持ちだけで解決しようとせず、生活習慣や勉強のやり方そのものを見直すことも大切です。
Q. 結果を気にしないほうがいいのですか。
結果を全く気にしないという意味ではありません。
志望校合格という目的を持ちながらも、一回一回の結果に一喜一憂しすぎない視点を持つ、という考え方です。
やる気そのものが出ないときの原因と対処法については、モチベーションが上がらないときにやるべきことで詳しく解説しています。
また、継続を意志の強さでなく環境の工夫で支える方法については、自制心に頼らない続け方の工夫について書いた記事もあわせてご覧ください。
模試の結果に心が折れそうな受験生へ|「続けること」を目的にする考え方:まとめ
- 模試の結果を「勝敗」として受け止めると、負けたと感じた時点で心が折れやすくなる
- 「有限のゲーム」は勝敗で終わらせる発想、「無限のゲーム」は続けること自体を目的にする発想
- 「上位10%は生存率で決まる」という考え方は、続けることの大切さを示す一つの捉え方であり保証ではない
- 結果を通過点として記録し、続けた行動自体を可視化する工夫が続けやすさを支える
結果が出ない時期があっても、それは特別なことではありません。
一回一回の結果を勝敗として受け止めすぎず、続けること自体を大切にする視点を、今日から少しずつ取り入れてみてください。




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