「イオン化傾向、語呂合わせで覚えたはずなのに、問題を解くときに順番が思い出せない」
そう感じて検索している受験生は多いはずです。結論から言うと、イオン化傾向は語呂合わせの音だけで
覚えようとすると、途中の順番が入れ替わったり、抜けが出たりしやすい暗記対象です。
この記事では、定番の語呂合わせに加えて、一覧表や金属の反応性との結びつけ、
自分で抜けを見つける具体的な復習法まで、順を追って解説します。
イオン化傾向の覚え方を確認する前に知っておきたいこと
語呂合わせの中身に入る前に、イオン化傾向がそもそも何を表す順番なのかを
確認しておきます。順番の意味が分かると、語呂合わせも
ただの音の羅列ではなく、意味のある知識として覚えやすくなります。
イオン化傾向とは何を表す順序か
イオン化傾向とは、金属が水溶液中で陽イオンになりやすい順に並べたものです。
陽イオンになりやすいということは、金属原子が電子を手放しやすく、
反応性が高いことを意味します。そのため、イオン化傾向の順番が分かれば、
金属同士のどちらが酸化されやすいか、水や酸と反応しやすいかを判断できます。
覚える範囲は17種類の金属と水素
大学受験の化学で問われるイオン化傾向は、一般に次の17種類です。
リチウム(Li)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、
ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、
ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、水素(H)、
銅(Cu)、水銀(Hg)、銀(Ag)、白金(Pt)、金(Au)の順です。
水素は金属ではありませんが、酸との反応性を比較する基準として、
この並びの中に含めて覚えます。
中学理科と高校化学で扱う範囲の違い
中学理科でイオン化傾向を学ぶ場合は、マグネシウム・亜鉛・鉄・銅・銀など、
代表的な金属だけを比較する範囲にとどまります。一方、高校化学や大学受験では、
先ほどの17種類をまとめて問われることが一般的です。
中学生のうちに先取りで覚える場合は、今取り組んでいる範囲が中学範囲なのか、
高校範囲なのかを区別しておくと、後で混乱しにくくなります。
補足
イオン化傾向の並び順そのものに
理論的な理由があるわけではないため、
順序の暗記には語呂合わせが向いています。
定番の語呂合わせでイオン化傾向を覚える
ここからは、実際に語呂合わせを使って17種類の順番を覚える手順を解説します。
「リッチに貸そうかな まああてにすんな ひどすぎる借金」の意味
イオン化傾向の語呂合わせとして最も広く知られているのが、
「リッチに貸そうかな まああてにすんな ひどすぎる借金」というフレーズです。
前半の「リッチに貸そうかな まああてにすんな」は、Li・K・Ca・Na・Mg・Al・Zn・Fe・Ni・Sn・Pbという
元素名の音とおおむね対応しています。後半の「ひどすぎる借金」の部分は、
水素より反応性が低いH・Cu・Hg・Ag・Pt・Auを
まとめて表す語呂として使われています。教科書や参考書によっては、Liを含めず
Kから並びを説明している場合もあるため、別の資料と比べて混乱した場合は、
今使っている教材がどこから並びを数えているかを確認してみてください。
覚える範囲を絞った短縮バージョン
17種類を一度に覚えるのが難しい場合は、反応性の高さで4つのグループに
分けて覚える方法もあります。Li・K・Ca・Naは「反応性が非常に高いグループ」、
Mg・Al・Zn・Feは「水や酸と反応するグループ」、
Ni・Sn・Pbと水素(H)は「反応するが速度が遅い中間のグループ」、
Cu・Hg・Ag・Pt・Auは「反応性が低く単体で存在しやすいグループ」というように、
先に4グループのおおまかな位置を覚えてから、
各グループの中の細かい順番だけを後から詰めていく進め方ができます。
語呂合わせを自分なりに作り替えるコツ
すでにある語呂合わせが覚えにくいと感じる場合は、自分が声に出しやすいリズムに
作り替えてしまう方法もあります。好きな曲のメロディーに乗せて
元素名を繰り返し口ずさんだり、友人と読み合わせて発音を確認したりすると、
既存の語呂合わせよりも自分の記憶に残りやすくなることがあります。
意味のつながらない単語を並べるより、多少強引でも情景として
思い浮かぶ形にしておくのがコツです。
一覧表と反応の理由づけで抜けを防ぐ
語呂合わせで音を覚えたあとは、一覧表と反応の理屈を組み合わせて、
抜けを防ぐ工程に進みます。
イオン化傾向の一覧表
音だけでなく、目で見て確認できるように、元素記号と代表的な反応性を
一覧表にまとめておくと整理しやすくなります。
| 元素 | 元素記号 | 代表的な反応性の目安 |
|---|---|---|
| リチウム〜ナトリウム | Li・K・Ca・Na | 常温の水と反応しやすい |
| マグネシウム〜鉄 | Mg・Al・Zn・Fe | 熱水や酸と反応しやすい |
| ニッケル〜鉛 | Ni・Sn・Pb | 酸と反応するが速度は遅くなる |
| 水素 | H | 反応性を比較する基準として扱う |
| 銅〜金 | Cu・Hg・Ag・Pt・Au | 酸に溶けにくく単体で存在しやすい |
水・酸・空気との反応で覚える理由づけ
一覧表を眺めるだけでなく、それぞれの金属が水・酸・空気のどれと
反応しやすいかを合わせて確認すると、順番を音だけに頼らず思い出せるようになります。
例えば、イオン化傾向が高いグループほど常温の水とも反応しやすく、
反応性が低いグループほど、空気中でも酸化されにくい性質を持ちます。
語呂合わせで順番を再現したあとに、「なぜこの金属が上位にあるのか」を
一言で説明できるかを確認すると、理解を伴った記憶に変わっていきます。
間違えやすい部分の順番
イオン化傾向の中でも、特にFe・Ni・Sn・Pbのあたりの順番は
入れ替えて覚えてしまう受験生が多い部分です。この範囲は語呂合わせの音のリズムが
詰まっているため、書き出す練習をせずに口頭だけで済ませると、
本番で順番があいまいになりやすくなります。特に間違えやすいと感じる範囲は、
その部分だけを取り出して繰り返し書く練習をしておくと安心です。
覚えたイオン化傾向を入試問題で使えるようにする
語呂合わせと一覧表で順番を覚えたら、最後に、覚えた内容を入試問題の中で
使える状態まで仕上げます。
イオン化傾向が問われる代表的な出題パターン
イオン化傾向は、電池の仕組み、金属の腐食や防食、酸化還元反応など、
幅広いテーマで前提知識として使われます。順番そのものを答えさせる問題だけでなく、
「どちらの金属が先に溶けるか」「どちらが電子を放出する側か」を
判断させる形で出題されることが多いです。そのため、順番を覚えるだけでなく、
順番から反応の向きを判断する練習までセットで行うことが大切です。
語呂合わせを見ずに書き出す「穴埋め復元法」
覚えたつもりの状態を防ぐ具体的な方法として、何も見ずに17種類を書き出し、
抜けた部分だけをその場で確認する「穴埋め復元法」があります。
やり方は単純で、白紙に元素記号だけを思い出せる範囲まで書き、
止まった位置から先を教科書で確認し、抜けていた部分だけを繰り返し復元します。
最初から順番通りに暗唱するのではなく、途中の元素をランダムに指して
前後の順番を答えられるかを確認する練習を組み合わせると、
語呂合わせの音を再現できるだけの状態から、一歩踏み込んだ定着を確認できます。
覚えたつもりが本番で崩れるときのサイン
指導現場では、語呂合わせを覚えた直後は順番を答えられても、数週間後の確認テストで
途中の順番があいまいになる生徒がよく見られます。次のような状態が続く場合は、
一人での対策だけでは定着の確認が難しいサインかもしれません。
- 語呂合わせは言えるのに、問題文の中で順番を使えない
- 覚えたはずの範囲が、数週間後の確認テストで抜けている
- どこまでが理解できていて、どこからが暗記任せか自分で判断しづらい
My Self_Learnでは、化学の受験対策を強みとし、
単元別の確認テストや化学テストゼミを通じて、覚えた内容が入試問題の中で
使える状態まで定着しているかを確認する指導を行っています。
「語呂合わせは言えるのに問題で使えない」状態を早い段階で見つけたい方にとって、
検討しやすい選択肢の一つです。
また、イオン化傾向以外の無機化学の暗記量を減らしたい方は
語呂合わせ以外の記憶術もあわせて知りたい方は
参考になりますので、あわせてご覧ください。
イオン化傾向の覚え方|語呂合わせと一覧表で暗記を得点力に変えるコツ:まとめ
イオン化傾向は、「リッチに貸そうかな まああてにすんな ひどすぎる借金」という
語呂合わせで音を覚えるだけでなく、一覧表と反応の理由づけを組み合わせることで、
抜けや順番の入れ替わりを防ぎやすくなります。覚えたあとは、何も見ずに書き出す
穴埋め復元法で自分の抜けを確認し、電池や酸化還元反応など、
実際の出題パターンの中で使う練習まで進めておくと安心です。
それでも順番があいまいなまま残ってしまう場合は、化学の受験対策に力を入れている塾の
確認テストや個別指導を利用し、今つまずいている部分を講師と一緒に
確認するところから始めてみてください。




コメント