模試の判定が悪いと、志望校の情報や
良いアドバイスが目に入らなくなり、
悪い情報ばかりが気になってしまう。
そんな経験はないでしょうか。
この現象には、脳のRAS
(Reticular Activating System、
網様体賦活系)と呼ばれる仕組みが
関わっていると説明されることが
あります。
この記事では、RASの基本的な考え方と、
受験勉強や目標設定への活かし方を
解説します。
RAS(網様体賦活系)とは
RASは、脳幹にある神経の集まりを
指す言葉です。まずは基本的な
役割を確認しておきましょう。
RAS(Reticular Activating System)は、
日本語で網様体賦活系(もうようたい
ふかつけい)と呼ばれる、脳幹にある
神経細胞の集まりです。
本来の役割は、覚醒と睡眠の切り替えや、
意識レベルの維持、姿勢や呼吸といった
生命維持に関わる調整だとされています。
研究上の補足
心理学や自己啓発の分野では「RASは自分にとって重要な情報だけを選び出すフィルター」として紹介されることが多くあります。ただし、近年の脳科学では、覚醒に関わる神経の多くは網様体そのものではなく、そこを通過する経路にあることが分かってきており、専門家の間では「上行性覚醒系」といった呼び方が使われることも増えています。フィルター機能の説明は、脳の仕組みを分かりやすく伝えるための一般化された解釈である点を踏まえて読み進めてください。
RASが「見える世界」を変えるという考え方
RASのフィルター機能という考え方は、
日常の感覚として説明されることが
よくあります。具体例を見てみましょう。
人は目や耳から膨大な情報を
受け取っていますが、そのすべてを
意識的に処理することはできません。
自分が関心を持っていることや、
重要だと感じていることに関する情報が
目に留まりやすくなる、という感覚は
多くの人が経験しています。
新しい参考書を買おうか考えていると、
街中でその参考書の広告が
目につきやすくなる、といった感覚も
この一例として紹介されることがあります。
「引き寄せの法則」という言葉と
結び付けて語られることもありますが、
これは脳が新しい情報を集めて
きているわけではなく、もともと
周囲にある情報のうち、関心のある
部分に注意が向きやすくなっている
という説明のほうが実情に近いとされます。
RASは受験勉強の諸刃の剣になる
この仕組みは、前向きな情報だけでなく
ネガティブな情報にも同じように
働くとされています。
注意しやすいネガティブな思考の例
- ○○大学には入れない…。
- 自分は勉強ができない…。
- 志望校に合格できない…。
このようなネガティブな考えが
頭の中で繰り返されると、その情報が
優先的に意識に上りやすくなる
と説明されています。
結果として、周囲の人がくれる
前向きなアドバイスや励ましが
意識に残りにくくなり、ネガティブな
思考がさらに強まってしまう
という悪循環が起こりやすくなります。
考え方そのものを変えることで、
この流れを変えられる可能性がある
という点が、この仕組みの
ポイントだとされています。
目標を紙に書くとRASが味方になる
RASの働きを活かす方法として
よく紹介されるのが、目標を紙に
書くという方法です。
目標を紙に書くことの効果を扱った
研究として、カリフォルニア・
ドミニカン大学のゲイル・マシューズ
氏による調査が知られています。
この調査では、目標を紙に書いた
うえで、その内容を友人に共有し、
進捗を定期的に報告したグループは、
目標を頭の中で考えているだけの
グループに比べて、目標の達成度が
高かったと報告されています。
具体的な達成率は調査条件によって
幅がありますが、複数の調査で、
「書く」「共有する」という行動が
目標達成を後押しする傾向は
一貫して確認されています。
目標を紙に書くことで、その目標に
関連する情報が意識に上りやすくなり、
日々の行動が目標に向かいやすくなる
という説明がされています。
目標を書くときのポイント
効果を得やすくするためには、
次のような書き方が推奨されています。
目標を紙に書くときのポイント
- 期限と数値を含めて具体的に書く
- 「なぜその目標を達成したいか」も書く
- 定期的に見返す、または人に共有する
「志望校に合格する」だけでなく、
「〇月の模試でA判定を取る」など、
期限と数値を含めて具体的に書くと、
日々の行動に落とし込みやすくなります。
RASを受験勉強に活かすときの注意点
RASを味方につける考え方は、
あくまで行動を後押しするための
一つの視点として活用しましょう。
目標を紙に書くだけで、自動的に
成績が上がったり、志望校に合格
できたりするわけではありません。
目標を明確にしたうえで、学習計画に
落とし込み、日々の行動として
実行することが欠かせません。
Q. 目標を書いても長続きしません。どうすればよいですか?
A. 一度に大きな目標だけを書くと、日々の行動につながりにくくなります。長期の目標と合わせて、1週間単位の小さな目標も書き出し、定期的に見直す時間を作ると継続しやすくなります。
目標設定を学習計画につなげるには
紙に書いた目標を、実際の学習計画に
落とし込むには、客観的な視点も
役立ちます。
志望校合格という目標から逆算して、
科目ごとに何をどれだけ進めるべきかを
考えることは、一人で行うと
難しく感じる場合があります。
松山市の大学受験塾My Self_Learnでは、
生徒ごとの志望校や学力に合わせて、
学習計画を作成し、進路相談を通じて
科目全体のバランスを整理しています。
目標は書けても、そこから逆算した
計画を自分だけで組み立てるのが
難しいと感じる場合は、第三者と
一緒に計画を整理する方法も
選択肢の一つです。
なお、
目標設定とドーパミンの関係性も参考になる内容なので、
時間があるときにぜひチェックしてみてください。
RAS(網様体賦活系)とは?目標を紙に書くと叶いやすい理由を解説:まとめ
RASは、本来は覚醒や意識レベルの
維持に関わる脳の仕組みですが、
心理学の分野では「関心のある情報に
注意が向きやすくなるフィルター」
として紹介されることが多くあります。
目標を紙に書き、期限や数値を
含めて具体的にすることで、その
目標に関連する情報や行動に
意識が向きやすくなるとされています。
ネガティブな考えにとらわれそうな
ときこそ、目標を紙に書き出し、
視点を切り替えるきっかけに
してみてください。




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