「意味も接続も活用も覚えたはずなのに、模試の古文になると
助動詞のところで止まってしまう」という相談は、高校生から
よく聞きます。結論から言うと、古文の助動詞は単語のように
1つずつ丸暗記するのではなく、接続でグループ分けしてから
意味と活用をあとから結びつける順番で覚えると、負担が大きく
減ります。この記事では、助動詞がなかなか覚えられない原因を
整理したうえで、意味・接続・活用それぞれの覚え方と、語呂合わせや
替え歌の使いどころまで、大学受験で実際に使える形で解説します。
古文助動詞がなかなか覚えられない3つの原因
助動詞は古文の中でも特に苦手意識を持たれやすい分野です。
まずは、つまずきやすい原因を整理しておきましょう。
意味・接続・活用をバラバラに覚えている
助動詞集の表を眺めるだけの勉強法だと、意味・接続・活用が
それぞれ独立した情報として頭に入り、結びつかないまま忘れて
しまいがちです。本文中で助動詞を見分けるときは、直前の語の
活用形(接続)から助動詞の候補を絞り込み、そこから意味を
判断するという順番で使うため、3つを別々に覚えていると、
知識はあっても実戦で使えない状態になりやすくなります。
種類が多く感じて心理的なハードルが高い
助動詞は数十語あるように感じられますが、接続のグループごとに
まとめると、実際に一度に覚える単位はそれほど大きくありません。
全体を一つの塊として見てしまうと、着手する前から苦手意識が
強くなり、後回しにしがちです。
紛らわしい意味を持つ助動詞を混同している
「む」「らむ」「けむ」のように似た形の助動詞や、「めり」
「なり」「らし」のように意味が近い助動詞は、特に混同しやすい
グループです。似ている助動詞ほど、違いを意識して比較しながら
覚えないと、どちらも中途半端な理解のまま止まってしまいます。
豆知識
助動詞は、動詞・形容詞・形容動詞のあとに付いて意味を
添える言葉です。直前の語がどの活用形になっているかで、
後ろに続けられる助動詞の候補がある程度絞られます。
覚える前に知っておきたい古文助動詞の全体像
助動詞を1語ずつ個別に覚える前に、まず全体をどう分類できるかを
知っておくと、暗記の負担がかなり軽くなります。
助動詞は「接続」でいくつかのグループに分けられる
古文の助動詞は、直前にどの活用形が来るかによって、いくつかの
グループに分類できます。次の表は代表的な助動詞を接続の
グループごとに整理したものです。
| 接続 | 代表的な助動詞 |
|---|---|
| 未然形に接続 | る・らる・す・さす・しむ・ず・む・むず・じ・まし・まほし |
| 連用形に接続 | き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし |
| 終止形に接続(ラ変型の語には連体形に接続) | らむ・べし・まじ・らし・めり・なり(伝聞推定) |
| 体言・連体形に接続 | なり(断定・存在) |
この分類は、多くの参考書や問題集で共通して使われている基本的な
整理の仕方です。1語ずつ接続を覚えるのではなく、まずこの表の
単位でグループごと覚えるほうが、記憶に残りやすくなります。
意味は「推量」系にまとまりが多い
助動詞の意味を見渡すと、「む」「らむ」「けむ」「べし」
「まじ」「らし」「めり」など、推量に関わる意味を持つ語が
数多く含まれています。すべてを別々の意味として覚えるより、
「何を推量しているのか」「どのくらい確信度が高いのか」という
視点で比較しながら整理すると、意味の区別がつきやすくなります。
意味の覚え方
ここからは、得点につながる「意味」の覚え方を具体的に
見ていきます。
中心の意味からグループ化する
助動詞の意味は、現代語訳を1つずつ丸暗記するのではなく、
中心になる意味を先に押さえたうえで、そこから派生する訳語を
整理する順番で覚えると定着しやすくなります。たとえば「べし」は
「当然そうなるはずだ」という中心の意味から、推量・意志・可能・
当然・命令・適当という複数の訳語が文脈によって使い分けられます。
紛らわしい推定表現を「根拠」で区別する
「めり」「なり」「らし」は、いずれも推定に関わる意味を持つため
混同しやすい助動詞です。受験生の間では、判断の根拠になった
感覚をもとに、次のように整理して覚える方法もよく使われています。
| 助動詞 | 推定の根拠 |
|---|---|
| めり | 目で見た様子からの推定 |
| なり(伝聞推定) | 音や噂として耳にしたことからの推定 |
| らし | 何らかの根拠にもとづく確信の強い推定 |
この整理はあくまで手がかりであり、実際の問題では前後の文脈から
根拠を確認する練習もあわせて必要です。
接続の覚え方
古文助動詞の暗記でもっとも壁になりやすいのが、この「接続」
です。ここを苦手にしたままだと、意味を知っていても本文中で
助動詞を正しく見分けられません。
未然形接続のグループをまとめて覚える
「る・らる・す・さす・しむ・ず・む・むず・じ・まし・まほし」は
すべて未然形に接続する助動詞です。数が多く見えますが、
「未然形接続の仲間」として一つのまとまりで覚えれば、1語ずつ
接続を確認し直す手間が減ります。先ほどの表の単位ごとに、
「この助動詞グループは何形に付くか」を声に出して確認する
練習を繰り返すと、本文中でも判断が速くなっていきます。
ラ変型の語に接続するときの例外に注意する
「らむ」「べし」「まじ」「らし」「めり」「なり(伝聞推定)」は
基本的に終止形接続ですが、「あり」「をり」のようなラ変型の
活用をする語のあとに続くときだけ、連体形に接続するという
例外があります。この例外は入試でも狙われやすいため、
「終止形接続、ただしラ変型には連体形」という形でセットに
して覚えておくと、思い出しやすくなります。
活用の覚え方
助動詞の活用も、1語ずつ独立した表として覚えようとすると
負担が大きくなります。
既に知っている「活用の型」と結びつける
助動詞の活用には、動詞の四段活用やラ変活用、形容詞の
ク活用・シク活用、形容動詞のナリ活用などと同じ型を
使っているものが多くあります。助動詞ごとに1から新しい
活用表を覚えるのではなく、「この助動詞はどの活用の型に
近いか」を意識すると、すでに身につけている知識を流用でき、
暗記の負担が軽くなります。
例文の中で活用形を確認しながら覚える
活用表だけを眺めて覚えるより、実際の例文の中で助動詞が
どの活用形で使われているかを確認しながら覚えるほうが、
本文読解に直結しやすくなります。文法問題集の例文を読むときは、
助動詞の直前の語に注目し、「未然形に接続しているから、この
助動詞は打消の意味だ」のように、接続と意味をセットで
確認する習慣をつけておきましょう。
語呂合わせ・替え歌で覚える方法
語呂合わせや替え歌は、活用や接続を最初に覚える入り口として
有効ですが、それだけで得点に直結するわけではありません。
「もしもしかめよ」の替え歌で未然形接続を覚える
未然形に接続する助動詞のグループ(る・らる・す・さす・しむ・
ず・む・むず・じ・まし・まほし)を、童謡「うさぎとかめ」の
メロディーに乗せた替え歌で覚える方法を紹介している参考書や
学習サイトがあります。正確な歌詞は教材によって異なるため、
この記事では歌詞そのものを断定しませんが、「同じ接続の
助動詞をリズムに乗せてまとめて口に出す」という考え方は、
未然形接続グループを一気に覚えたいときの入り口として
役立ちます。
語呂合わせは「意味」まで保証してくれるわけではない
語呂合わせや替え歌は、助動詞の種類や接続をまとめて覚える
ことには向いていますが、それぞれの助動詞がどんな意味で
使われるかまでは教えてくれません。語呂合わせで接続を覚えたら、
先ほど紹介した意味のグループ化と組み合わせて、最終的には
例文の中で使える状態まで仕上げる必要があります。
よくある疑問
Q. 助動詞集は1冊を何周もすればいいですか。
1回で全部を完璧に覚えようとせず、接続グループごとに
短時間で何度も見直すほうが、結果的に定着しやすくなります。
Q. 意味と接続、どちらを先に覚えるべきですか。
先に接続のグループを覚えておくと、本文中で助動詞を
見つけやすくなるため、接続から着手するのがおすすめです。
古文助動詞の暗記を受験勉強全体の中でどう位置づけるか
古文助動詞の暗記そのものは大切ですが、受験勉強全体の中で
どれだけの時間をかけるかも、志望校合格には欠かせない視点です。
助動詞は古典文法の中心にあたる分野であり、いったん接続と
意味のグループを覚えてしまえば、以後の読解演習の中で
繰り返し確認しながら定着させていくことができます。
松山市内の高校でも、部活動を高3の夏まで続ける生徒は
少なくありません。その場合、古典文法にじっくり取り組めるのは
夏以降になりやすく、優先順位が重要になります。
化学の受験対策を中心とするMy Self_Learnでは、化学以外の
科目についても、志望校から逆算した学習計画や、科目ごとの
優先順位を相談できる進路相談を行っています。古文助動詞のように
コツコツ積み上げる必要がある分野を、他の教科とどう両立させるか
で迷っている場合は、学習全体のバランスを一緒に整理する
相談先として検討してみてください。
古典の暗記でつまずきやすいのは助動詞だけではありません。
助動詞を覚える前に必要になる
古文単語の覚え方や、
もう一方の古典である
あわせて押さえておくと、古典全体の得点を安定させやすく
なります。また、助動詞の暗記のように接続や活用のグループを
整理して覚える発想は、
日本史の年号の覚え方のように、
他の暗記科目にも応用できる考え方です。あわせてご覧ください。
古文の助動詞の覚え方|意味・接続・活用をつまずかず暗記するコツ:まとめ
この記事の結論
古文助動詞は1語ずつ丸暗記するのではなく、接続のグループで
まとめてから意味を結びつける順番で覚えると負担が軽くなります。
特に接続はつまずきやすい部分なので、優先して整理しましょう。
語呂合わせや替え歌は接続や種類を覚える入り口として役立ちますが、
最終的には例文の中で意味まで判断できる状態を目指す必要が
あります。今日からまず、未然形接続のグループを声に出して
確認するところから始めてみてください。




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