化学反応式は覚えたはずなのに、いざ書こうとすると係数がずれてしまう。
そんな経験がある高校生は少なくありません。
結論から言うと、化学反応式は係数の数字を丸暗記するものではなく、
反応前後で原子の数を合わせるルールに沿って組み立てれば、暗記の負担を大きく減らせます。
この記事では、係数のバランスを崩さずに化学反応式を組み立てる手順と、
松山市の受験生が実際につまずきやすいポイントを踏まえた1週間の練習プランを解説します。
化学反応式が覚えられない3つの原因
手順に入る前に、化学反応式の暗記がうまくいかない原因を整理しておきます。
原因が分かれば、対策も選びやすくなります。
係数の数字だけを先に覚えようとしている
化学反応式が覚えられない生徒の多くは、係数の数字そのものを暗記しようとしています。
しかし係数は反応物や反応条件によって変わるため、
数字だけを覚えても、少し形の違う問題には対応できません。
反応式の意味を理解せずに書き写している
教科書や問題集の反応式を、意味を考えずにそのまま書き写すだけでは、
なぜその係数になるのかが分からないままです。
理解を伴わない暗記は、数週間後にはほとんど抜け落ちてしまいます。
一度に大量の反応式を詰め込んでいる
定期テスト前にまとめて覚えようとすると、一つ一つの反応式を確認する時間が足りなくなります。
中学理科の化学式の暗記とは違い、高校の化学反応式は係数の組み立て方まで問われるため、
範囲を絞らずに詰め込む勉強法は、かえって記憶の定着を妨げます。
【この記事で身につくこと】
・係数を目算法で自分で組み立てる3ステップ
・複雑な反応式を未定係数法で確認する方法
・1週間で頻出反応式を書けるようにする練習プラン
係数のバランスを崩さずに化学反応式を組み立てる手順
化学反応式を覚えるときは、係数を自分で決められるようになることが近道です。
ここでは目算法の手順を確認します。
反応前後で原子の数を合わせる基本ルール
化学反応式は、反応前(左辺)と反応後(右辺)で、原子の種類と数が必ず一致します。
この原則さえ意識しておけば、係数を当てずっぽうで決める必要がなくなります。
目算法で係数を決める3ステップ
①化学式そのもの(右下の数字)は変えない。
②複雑な分子や登場回数が少ない原子を含む物質から、係数を仮に1と置く。
③両辺の原子の数を数え、一致するまで残りの係数を調整する。
この3ステップを順番に守れば、初めて見る反応式でも係数を自分の手で組み立てられるようになります。
例えば、プロパンの完全燃焼「C3H8+O2→CO2+H2O」で考えてみましょう。
①化学式は変えず、②登場回数が少ない炭素・水素を含むC3H8の係数を1と仮決めすると、
炭素の数からCO2の係数は3、水素の数からH2Oの係数は4に決まります。
③最後に酸素の数を数えると、右辺はCO2の3個×2とH2Oの4個で合計10個になるため、
左辺のO2の係数を5にすれば両辺がそろい、「C3H8+5O2→3CO2+4H2O」が完成します。
複雑な反応式は未定係数法で確認する
酸化還元反応のように、目算法だけでは係数が定まりにくい反応式もあります。
その場合は、係数をa、b、cのような文字で置き、
原子の数が一致する条件から連立方程式を立てる未定係数法で確認すると、ミスを減らせます。
例えばエタノールの燃焼「C2H6O+aO2→bCO2+cH2O」では、
炭素の数からb=2、水素の数からc=3が先に決まり、
残った酸素の数の条件からaを求めると、a=3と計算できます。
目算法だけでは係数の当てはめに迷う反応式ほど、この方法が役立ちます。
【豆知識】可逆反応の反応式について
気体の平衡反応など、両方向に進む反応は「⇄」を使って書きます。
係数の合わせ方は通常の反応式と同じで、矢印の向きだけが意味を持つ点に注意しましょう。
覚え方を定着させる1週間の練習プラン
手順が分かっても、練習しなければ入試本番では使えません。
ここでは1週間で反応式を書けるようにする練習プランを紹介します。
頻出反応式から着手する
共通テストや二次試験で繰り返し出題される、燃焼・中和・酸化還元の反応式から優先して
練習すると、限られた時間でも得点につながりやすくなります。
愛媛県内の高校でも、5〜6月は部活動の総体・地区大会と中間試験が重なりやすく、
化学反応式の暗記に使える時間が特に限られる時期です。
市販の一覧やプリントをいきなり丸暗記するのではなく、まずは燃焼・中和・酸化還元の
代表的な反応式を1つずつ、自分の手で組み立て直すところから始めましょう。
例えば中和反応の基本形「HCl+NaOH→NaCl+H2O」は係数がすべて1で完成する
最も単純な例なので、目算法の手順を確認する最初の1問に向いています。
1日10個・係数を見ずに1から組み立てる
1日に10個の反応式を選び、係数を隠した状態で、①原子の数を数える
②係数を仮決めする③両辺を確認する、という手順を自分の手で再現します。
答え合わせをするときは、係数の数字が合っているかより、
手順のどこで止まったかを確認するほうが、次に活きる復習になります。
語呂合わせは仕上げの一手として使う
語呂合わせは、反応式を思い出すきっかけとしては有効です。
ただし、係数を合わせる考え方そのものの代わりにはなりません。
目算法の手順で組み立てられるようになった反応式を、
最後の確認として語呂合わせで定着させる使い方が効果的です。
化学反応式の暗記でよくある間違いと直し方
目算法の考え方を知っていても、練習の途中でありがちな間違いがあります。
代表的な間違いと直し方を確認しておきましょう。
【よくある間違い】
数を合わせるために、化学式そのものを書き換えてしまう
(例:H2Oを2個にする代わりに、H4O2と書いてしまう)。
【直し方】
化学式は変えずに、係数だけを整数で調整します。
水を2個にしたい場合は「2H2O」と書き、化学式自体はH2Oのまま変えません。
Q. 係数が1のときも「1」と書きますか。
A. 係数が1の場合は数字を省略し、「1H2O」ではなく「H2O」と書きます。
Q. 係数は分数のままでもよいですか。
A. 途中式では分数を使ってもかまいませんが、
最終的な反応式は、全体を整数倍して整数の係数にそろえます。
知識として係数の合わせ方を覚えても、入試問題では初めて見る反応式が出題されることも多く、
その場で係数を組み立て直す力が求められます。
松山市の大学受験塾My Self_Learnでは、化学の授業に加えて、単元ごとの確認テストや
化学テストゼミを通して、反応式を自分の手で組み立てられる状態まで
定着しているかどうかを一つずつ確認しています。
覚えたはずの反応式が入試問題で使えないという悩みがある場合は、
どこでつまずいているかを整理するところから見直してみることも一つの方法です。
また、モル計算や化学平衡など理論化学の勉強法をまとめて知りたい方は
理論化学の勉強法も、あわせて参考にしてください。
化学基礎の範囲で共通テスト対策を進めたい方は、
化学基礎の勉強法で、範囲の整理から学習計画までを解説しています。
化学反応式の覚え方|係数のバランスを崩さず暗記する3つの手順:まとめ
化学反応式は、係数の数字を模様のように丸暗記するものではなく、
反応前後で原子の数を合わせるルールを理解すれば、自分で組み立てられるようになるものです。
【この記事の要点】
・化学式(右下の数字)は変えず、係数だけを整数で調整する
・目算法は「複雑な分子から仮決め→両辺を数える→調整」の3ステップ
・目算法で定まりにくい反応式は未定係数法で確認する
・頻出反応式から1日10個、係数を見ずに組み立て直す練習をする
・語呂合わせは仕上げの確認として使い、考え方の代わりにはしない
まずは今日、燃焼・中和・酸化還元のうち一つを選び、係数を隠した状態で、
この記事の3ステップを自分の手で再現してみることから始めてみましょう。




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