教科書を読むと分かった気がするのに、人に説明しようとすると言葉が出てこない。
それは、理解の穴が見えたサインです。
人に教えることで、教える側の理解が深まる現象は、
一般にプロテジェ効果や「教えることによる学習」と呼ばれます。
ただし、友達に長時間授業する必要はありません。
3分間の説明を録音し、説明できなかった箇所を教科書へ戻るだけで実践できます。
プロテジェ効果とは
「後で教える」と考えると、要点を選び、順序立てて理解する必要が生まれます。
実際に教えると理解の穴が見える
FiorellaとMayerが2013年に発表した研究では、
通常の学習、教える準備、実際に教える条件を分けて比較しています。
研究では、実際に教えたグループで、より持続的な理解の向上が確認されました。
これは特定の実験条件での結果であり、あらゆる科目で必ず同じ効果が出るとは限りません。
それでも、「説明できない箇所を見つける」という自己点検には使えます。
参考:The relative benefits of learning by teaching and teaching expectancy
「読める」と「説明できる」は違う
教科書の文を読み返すだけなら、文章自体が理解を支えてくれます。
一度本を閉じ、自分の言葉で説明すると、知識の順序や因果関係を組み直す必要があります。
人に教える勉強法の3ステップ
実践では、上手な授業をすることより、説明の穴を見つけることを優先します。
1.説明する範囲を1つに絞る
「化学平衡のすべて」では広すぎます。
「濃度を変えたとき、平衡がどちらに移動するか」など、1つの疑問に絞ります。
2.資料を閉じて3分間説明する
相手がいれば説明し、いなければスマホの録音や白紙を使います。
定義、理由、例の順で話すと、どこで言葉が止まったかが分かりやすくなります。
3.詰まったところだけ戻る
最初から全部読み直すのではなく、説明できなかった言葉に印を付けます。
教科書や解説でその箇所を確認し、もう1回だけ3分間で説明しましょう。
3分説明テンプレート
1.この用語・現象は何か
2.なぜそうなるのか
3.どのような問題で使うのか
4.似た概念と何が違うのか
プロテジェ効果を使うときの注意点
説明に時間をかけすぎると、問題演習の量が不足することがあります。
全単元でやらない
すでに安定して正解できる問題に、毎回説明の時間を足す必要はありません。
模試や問題演習で、「合っていたけれど理由を説明できない」問題に絞ると効率的です。
説明した後は必ず問題で確かめる
言葉で説明できても、実際の問題を解けるとは限りません。
最後に初見に近い1問を解き、正解と根拠の両方を確認してください。
「思い出す」ことを中心にした学習法は、
アクティブリコールのやり方でも具体的に解説しています。
人に教えると覚えられる?プロテジェ効果を受験勉強に使う3ステップ:まとめ
プロテジェ効果を受験勉強で使うなら、範囲を1つに絞り、
資料を閉じて3分間説明し、詰まった箇所だけ戻る順で進めます。
説明が上手かどうかより、どこを自分が理解できていないかを発見できれば成功です。
説明と問題演習をセットにし、「分かったつもり」を少しずつ減らしていきましょう。




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