「勉強しなきゃいけないのに、やる気が続かない」——そう感じることはありませんか。
模試の結果が気になって、夜になっても頭の中がぐるぐる回って眠れない、という声もよく聞きます。
こうした状態は、性格や気合いの問題ではなく、
受験特有のプレッシャーや先の見えない不安から起きやすいと言われています。
この記事では、「感謝日記」と呼ばれる簡単な習慣が、
学習へのやる気や睡眠、不安な気持ちとどう関わっていると考えられているのかを、研究をもとに紹介します。
あわせて、勉強で忙しい受験生でも数分で続けられる「3行日記」の具体的な書き方も説明します。
感謝日記は成績を保証する魔法の方法ではありませんが、
気持ちを落ち着けて勉強に向かいやすくする工夫として、試す価値があると言われています。
結論:感謝日記は受験生の「やる気」「睡眠」「不安」に良い影響があると言われている
感謝日記とは、その日にあった感謝できる出来事を短く書き出すだけの、シンプルな習慣です。
近年の研究では、感謝日記のような習慣が、学習への意欲を高めたり、
睡眠や気分の安定に良い方向で関わっている可能性が示されています。
ただし、これから紹介する研究はいずれも「傾向」を示すものであり、
誰にでも同じ効果が保証されるわけではありません。
健康やメンタルに関わる内容のため、この記事では断定的な表現を避け、
「〜と言われている」「〜という報告がある」という形で紹介します。
なぜ感謝日記が受験生のメンタルに良いと言われているのか
感謝日記が注目される背景には、いくつかの研究があります。
ここでは、特に受験生に関係の深いものを紹介します。
大学生を対象にした国内の実験で学習意欲の変化が確認された
立命館大学の山岸典子教授らが、情報通信研究機構(NICT)と共同で行った研究では、
84名の大学生を対象に、2週間にわたって感謝日記をつけるグループと、つけないグループを比較しました。
その結果、感謝日記をつけたグループでは「無気力」に関わる要因が下がり、
学習モチベーションが向上したことが確認されています。
さらに、この効果は日記をやめたあとの3か月後の調査でも維持されていたと報告されています。
受験勉強のような数か月単位の継続が必要な取り組みにとって、
短期間の習慣が長く効果を保つ可能性があるという点は、参考にしやすい結果だと言えます。
対象は大学生ですが、「勉強へのやる気を保ちにくい」という悩みは受験生にも共通する部分が多く、
高校生にもそのまま参考になる考え方だと言えます。
感謝の習慣と行動面への良い影響を示した海外の研究もある
アメリカのエモンズ教授とマッカラー教授が行った研究では、
感謝できる出来事を週に一度書き出したグループが、
日々の嫌な出来事を書いたグループや、出来事をただ記録しただけのグループと比べて、
運動の頻度が増えたり、2か月間で個人的な目標への取り組みが進んだと報告されています。
「感謝を書く」という一見メンタル面だけの習慣が、
運動や目標達成といった実際の行動にもつながっていた、という点が興味深い結果です。
睡眠や不安への影響は、まだ研究が広がっている段階
感謝日記を書く人は睡眠の質が良い傾向にあるという報告や、
感謝の実践が不安な気持ちを和らげる方向に働くとする研究も存在します。
一方で、これらは確立した治療法ではなく、研究が積み重なっている段階のテーマでもあります。
「感謝日記を書けば必ず眠れる」「不安が消える」と考えるのではなく、
気持ちを整える工夫の一つとして試してみる、という距離感がちょうどよいと考えられます。
この記事で紹介した研究について
・国内:立命館大学・山岸典子教授とNICTの共同研究(大学生84名、2週間の感謝日記で学習モチベーションが向上し3か月後も維持)
・海外:エモンズ教授(カリフォルニア大学デービス校)・マッカラー教授(マイアミ大学)による感謝日記の実験研究
いずれも大学生など成人を対象とした研究であり、高校生でも同じ結果になると断定するものではありません。
受験生でもできる「3行日記」のやり方
感謝日記と聞くと、毎日長い文章を書くイメージを持つ人もいるかもしれません。
ここで紹介するのは、受験勉強で忙しい人でも数分で終わる、シンプルな「3行日記」です。
書く3つの項目
書く内容は、次の3つだけです。
1. 今日、感謝できたこと(小さなことでよい)
2. 今日、自分が頑張ったこと・できたこと
3. 明日、ひとつだけ意識したいこと
1つ目は、家族が声をかけてくれた、友達が問題を教えてくれた、といったささいな出来事で構いません。
2つ目は、成績の結果ではなく、「今日は苦手な単元に手をつけた」のような、
自分の行動にも目を向けるのがポイントです。
3つ目は、翌日の計画を細かく立て直すのではなく、
「明日の朝は英単語から始める」くらいの、短く具体的な一言で十分です。
書くタイミングは寝る前の数分でよい
特に決まりはありませんが、1日を振り返りやすい寝る前の数分に書くと続けやすい、と言われています。
スマートフォンのメモでも、手帳の隅でも構いません。
ただし、寝る前にスマートフォンの画面を長く見ることは睡眠の質に影響する場合があるため、
寝る前に書く場合は、手帳やノートに短く書く方法もおすすめです。
書けない日・気分が乗らない日はどうするか
毎日欠かさず書くのが理想的ではありますが、無理をする必要はありません。
週に数回のペースでも一定の効果は見られる、という報告もあります。
模試の結果が悪かった日など、前向きな出来事を探しにくい日は、
「今日は休む日」と決めて、無理に感謝を探さなくても大丈夫です。
「感謝しなければいけない」という義務感を持ち始めると、かえって続けにくくなります。
「感謝できたこと」がどうしても見つからない日は、
代わりに「今日、内なる声(サボりたい気持ち)に負けずに机に向かった瞬間」を1つ書き出す、という工夫を取り入れている人もいます。
感謝の対象を外の出来事でなく、自分が踏ん張った行動に向ける方法で、
学術的に検証されたものではありませんが、感謝が見つからない日の代わりの視点として参考になります。
感謝日記を書くときに気をつけたいこと
効果が期待できると言われる一方で、いくつか注意しておきたい点もあります。
感謝日記は成績を保証する方法ではない
ここまで紹介した研究は、いずれも「モチベーションや気分に良い影響がある可能性」を示すものであり、
「感謝日記を書けば成績が上がる」ことを証明したものではありません。
勉強量や勉強の質を高めるための工夫と組み合わせて初めて意味を持つ習慣だと捉えておくと、
過度な期待による落胆を防げます。
「感謝しなきゃ」と義務化しない
感謝の気持ちを無理に作ろうとすると、かえって心の負担が増えることがあります。
見つからない日があってもよい、という前提で気軽に取り組むことが続けるコツです。
不眠や強い不安が長く続く場合は、専門家への相談も選択肢に
感謝日記はあくまで、気分を整えるための一つの工夫です。
眠れない日が何週間も続く、食欲がわかない、気分の落ち込みが長引くといった状態が見られる場合は、
感謝日記のようなセルフケアだけで対応しようとせず、
スクールカウンセラーや医療機関(心療内科・精神科)に相談することも大切な選択肢です。
保護者の方も、お子さんの睡眠や食欲、表情の変化に気づいたときは、
「気合いが足りない」と捉えるのではなく、まず本人の話を聞くところから始めてみてください。
感謝日記だけでは解決しない不安との向き合い方
感謝日記は、気持ちを落ち着けて勉強に向き合いやすくするための工夫です。
ただし、不安の原因が「何をすればいいか分からない」ことにある場合は、
気持ちの整理だけでは解消しきれないこともあります。
模試の結果が出るたびに不安になる、勉強時間はあるのにどこから手をつければよいか分からない、
という場合は、感謝日記のようなメンタル面の工夫と合わせて、学習計画そのものを見直す必要があるかもしれません。
My Self_Learnでは、確認テストや化学テストゼミによって理解度を整理し、
その結果を学習計画へ反映することを重視しています。
「何が、どれだけできていないか」が具体的に見える形になることで、
漠然とした不安が、次に何をすればよいかという具体的な課題に変わりやすくなります。
また、受験期のメンタルの保ち方についてくわしく知りたい方は
不安で眠れない夜が続く場合は大学受験の不安で眠れない夜の対処法も
あわせて参考にしてみてください。
Q. 感謝日記はいつから効果を感じられますか。
A. 紹介した研究では、2週間程度の実践で変化が見られ、3か月後も効果が続いていたと報告されています。まずは2週間、続けてみることをおすすめします。
Q. 手帳とスマートフォン、どちらで書くのがよいですか。
A. 形式そのものより、続けやすい方法を選ぶことが大切だとされています。寝る前は、画面を見る時間が延びにくい手帳やノートも向いています。
「感謝日記」は受験勉強に効く?モチベーション・睡眠・不安への影響と続け方:まとめ
感謝日記は、受験勉強の成績を直接保証する方法ではありません。
ただし、2週間程度の実践で学習モチベーションが上がり、その効果が3か月後も続いていたという国内の研究や、
感謝の習慣が行動面に良い影響を与えたとする海外の研究があり、
気持ちを整える工夫としては試す価値があると言われています。
「今日感謝できたこと」「今日頑張ったこと」「明日意識したいこと」の3行を、寝る前の数分で書くだけで構いません。
書けない日があってもよいので、まずは今日の夜、試してみてください。




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