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模試・受験本番のセルフトーク術|言ってはいけない独り言と言い換え例

大学受験のメンタル

模試の最中、心の中で「もう無理だ」とつぶやいた瞬間、手が止まった。そんな経験がある受験生は少なくありません。

実は、模試や受験本番で実力が出ない原因の一つは、能力そのものではなく、

自分自身にかけている言葉、いわゆる「セルフトーク」にあります。

心の中の独り言は、言葉の選び方ひとつで、緊張の感じ方や、

気持ちの立て直し方を変えることが、複数の心理学研究で示されています。

この記事では、実力を発揮しにくくするNGなセルフトークの具体例と、

その言い換え方、模試・本番中にそのまま使える言葉の型を、研究の裏付けとともに紹介します。

先に結論を言うと、ポイントは2つだけです。

「私は」でなく自分の名前で語りかけること、

そして「次に何をするか」を具体的に指示する言葉に変えることです。

なぜ心の中の言葉が模試・本番の結果を左右するのか

「気の持ちよう」で片づけられがちですが、セルフトークには

心理学的な裏付けがあります。ここでは2つの研究を紹介します。

自分の名前で語りかけると冷静になれる

ミシガン大学の心理学者イーサン・クロス氏らが2014年に

発表した研究があります。参加者585人を対象にした7つの実験で、

緊張する場面で自分に語りかける際、「私は」ではなく

自分の名前や「あなたは」を使ったグループのほうが、不安が低く、

客観的な評価者からもパフォーマンスが高いと評価されました。

研究チームはこれを「距離を置いたセルフトーク」と呼んでいます。

名前を使って自分に語りかけると、目の前の状況を「脅威」でなく

「乗り越えられる課題」として捉えやすくなるためだと説明されています。

つまり、模試中に「私、もうダメ」とつぶやく代わりに、

自分の名前を使って語りかける一言に変えるだけでも、

冷静さを取り戻す助けになるということです。

セルフトークは「指示型」と「鼓舞型」に分けられる

スポーツ心理学の分野では、セルフトークが競技パフォーマンスに

与える影響を調べた32件の研究をまとめた分析があります。

2011年に発表されたこの分析では、セルフトークを取り入れた場合と

そうでない場合とで、パフォーマンスに中程度の差が見られました。

特に、計算や読み取りなど細かい判断が必要な場面では、

次に取るべき行動を具体的に指示する「指示型」のセルフトークが

効果的とされています。一方、長時間頑張り続ける場面では、

自分を励ます「鼓舞型」の言葉が向いているとされています。

つまり、計算ミスや読み間違いを防ぎたい細かい場面では指示型、

長時間の試験を最後までやり切りたい場面では鼓舞型、

と使い分けるとよいということです。

これらの研究は、対人場面やスポーツ競技を対象にしたものであり、

日本語の大学受験の場面を直接検証したものではありません。

ただし「言葉の選び方が緊張との向き合い方を変える」という考え方の裏付けとして参考にできます。

模試・本番で実力を出しにくくするNGなセルフトーク

無意識に使いがちな言葉ほど、あとから自分を追い詰める原因になります。

代表的な3つのパターンを、言い換え例とあわせて見ていきましょう。

言い換え例では、名前の代わりに「ゆい」という仮名を使います。

実際に使うときは、自分自身の名前に置き換えてください。

NGなセルフトーク 言い換え例 ポイント
もう無理だ、終わった ゆい、まだこの大問は解ける 結果を決めつけず、目の前の行動に意識を戻す
なんで分からないんだ、自分はダメだ ここは知識不足、次の設問に切り替えよう 人格でなく原因を具体的に特定する
絶対に落ちたら終わりだ この模試は今の課題を教えてくれる材料 結果を「脅威」でなく「情報」として捉え直す

なぜこの言い換えが効くのか

3つの言い換えに共通しているのは、感情をゼロにしようとするのではなく、

目の前の行動や原因に意識を戻している点です。

前述のクロス氏の研究にある「名前で呼びかける」方法や、

指示型セルフトークの考え方を、模試や入試本番の場面に当てはめたものです。

模試・本番中にそのまま使えるセルフトークの型

ここでは、場面ごとに使える言葉の型を3つ紹介します。

自分がつぶやきやすい言葉に置き換えて使ってください。

開始直前に使う「鼓舞型」の一言

試験開始の合図の直前は、緊張が最も高まりやすい場面です。

ここでは「ここまでやってきた」「準備してきたことをやるだけ」

のように、これまでの努力を思い出させる鼓舞型の言葉が

向いています。結果でなく、これまでの行動に

焦点を当てるのがポイントです。

頭が真っ白になったときの「指示型」の一言

問題を解いている途中で頭が真っ白になったら、

「ゆい、まず深呼吸」「一度ペンを置いて、次の設問を読む」

のように、次に取るべき具体的な行動を短く指示する

言葉に切り替えます。感情を鎮めようとするより、

動作を指示するほうが、思考を目の前の作業に

戻しやすいとされています。

不安が強くなったときの「距離を置く」一言

「私はダメだ」ではなく、自分の名前を使って

「ゆいは、今、緊張している」と実況するように言い換えます。

感情を否定せず、少し離れた場所から観察することで、

不安に飲み込まれにくくなります。

セルフトークの言い換えは模試前から練習しておく

本番でとっさに言葉を変えるのは簡単ではありません。

数週間前からの準備が大切です。

自分がよく使うNGな独り言を書き出す

まず、模試や普段の勉強中に自分がよく使っている

ネガティブな独り言を、思いつく範囲で紙に書き出します。

「無理」「終わった」「なんで分からないんだ」など、

口癖になっている言葉ほど、本番でも自然に出てきやすいものです。

言い換え候補を先に用意しておく

書き出した言葉ひとつひとつに、この記事で紹介した型を

参考にした言い換えをあらかじめ用意しておきます。

本番で初めて考えるのではなく、事前に決めておくことで、

とっさの場面でも思い出しやすくなります。

模試を「言い換えの練習の場」として使う

模試は成績を測るだけの場ではなく、本番に近い緊張感の中で

セルフトークを練習する機会でもあります。模試のたびに、

どの言い換えが自分に合っていたかを振り返ることで、

本番までに自分に合った言葉が定着していきます。

言葉の言い換えだけでは、「本当にこの分野を理解できているか」

という不安まではなくなりません。My Self_Learnでは、

単元ごとの確認テストで理解度を可視化し、その結果を

学習計画に反映する仕組みを取り入れています。

漠然とした不安の一因が学習面の裏付け不足にある場合は、

こうした学習管理も選択肢の一つとして検討してみてください。

Q. ポジティブなセルフトークなら、どんな言葉でも良いのでしょうか。

A. 「絶対に受かる」のように結果を保証する言葉は、

思うようにいかなかったときに逆効果になることがあります。

結果でなく、目の前の行動に焦点を当てた言葉のほうが、

安定して使いやすいとされています。

Q. 声に出したほうが効果はありますか。

A. 声に出しても心の中でつぶやいても、大きな違いはないとされています。

試験中は声に出せない場面が多いため、心の中で使える言い換えを

普段から練習しておくと安心です。

また、セルフトーク以外の面も含めて

受験期のメンタルを整える方法を広く知りたい方は

受験でメンタルが弱い人が実践すると良いメンタルの保ち方

参考になります。

また、模試の結果が続けて振るわず、

気持ちの浮き沈みが激しいと感じる場合は

原因別の対処法と相談すべきサインの見分け方

あわせてご覧ください。

模試・受験本番のセルフトーク術|言ってはいけない独り言と言い換え例:まとめ

模試や本番で実力が出せない原因は、能力ではなく、

自分にかけている言葉にあることがあります。

「もう無理だ」と結果を決めつける代わりに、自分の名前で呼びかけたり、

次の行動を具体的に指示したりする言い換えが、

心理学の研究でも効果が示されています。

本番でとっさに言葉を変えるのは難しいため、模試の段階から

NGな独り言を書き出し、言い換えを用意しておく練習を重ねていきましょう。

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