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丸暗記に走ってしまうのはなぜ?「認知的完結欲求」から抜け出す勉強法

大学受験の暗記法

「時間がないから、とりあえず全部覚えてしまおう」。模試の前日、

そんな経験をした受験生は多いはずです。曖昧なまま考え続けるより、

早く答えを確定させて安心したくなるのは自然な反応です。実はこの

「早く答えを知りたい」という気持ちの強さには、心理学でいう「認知的完結欲求」

という個人差が関係していると考えられています。曖昧な状態に耐えられないほど、

理解より先に丸暗記へ逃げやすくなるのですが、この記事では丸暗記のやり方

そのものではなく、丸暗記に頼ってしまう心理の仕組みと、そこから

抜け出すための考え方を扱います。この仕組みを知るだけでも、

丸暗記に逃げてしまう癖は少しずつ減らしていけます。

なぜ「とりあえず覚える」に走ってしまうのか

丸暗記に頼りやすいかどうかは、やる気の問題だけではありません。まず、

その背景にある心理の仕組みを整理しておきましょう。

「認知的完結欲求」とは何か

「認知的完結欲求」とは、

心理学者のクルグランスキーとウェブスターが1996年に提唱した概念で、「曖昧さを嫌い、

早く確かな答えにたどり着きたいと感じる心理的な傾向」を指します。この傾向が強い人ほど、

情報が十分にそろう前に結論へ飛びつきやすく、

一度出した答えを後から見直すことも苦手になりやすいとされています。

これを受験勉強に当てはめると、「なぜこの公式が成り立つのか」

「なぜこの単語がこの意味になるのか」を考え続ける時間そのものが、

落ち着かない・もやもやする感覚として現れることがあると考えられます。

その不快感を早く終わらせたくて、「とりあえず覚えてしまえばいい」

という丸暗記の選択に流れやすくなるわけです。

たとえば数学の証明問題で、途中の式変形の理由が腑に落ちないまま、

解答の流れだけを覚えて再現しようとするのも同じ仕組みだと考えられます。

英語の文法問題で、なぜその形になるのかを考えずに、

パターンだけを丸ごと覚えてしまう場合も同様だと考えられます。

曖昧さへの耐性が低いと勉強でどうなるか

曖昧さへの耐性が低い状態が続くと、次のような勉強の癖がつきやすくなると考えられます。

・わからない問題に出会うと、考える前に解答や解説をすぐ見てしまう

・「なぜ」を飛ばして、答えだけを繰り返し書いて覚えようとする

・一度覚えたやり方に固執し、別の解き方や視点を試そうとしない

これらは怠けているわけではなく、「わからない状態」

そのものが心理的な負担になっているために起きる反応だと考えられます。

まずはこの仕組みを知ることが、丸暗記から抜け出す第一歩になります。

丸暗記だけに頼ることのデメリット

「とりあえず覚える」ことがすべて悪いわけではありませんが、

理解を伴わない丸暗記だけに頼ると、次のようなデメリットが出やすくなります。

応用問題で使えない知識になりやすい

丸暗記した知識は、問題文の言い回しが変わったり、条件が少し変化したりすると、

うまく使えなくなることがあります。仕組みを理解しないまま覚えた解法は、

見た目が違う問題に応用しにくいためです。

忘れるスピードが速く、模試で崩れやすい

仕組みを理解せずに覚えた内容は、時間が経つと忘れやすいと言われています。

直前に詰め込んだ知識ほど、模試や本番で思い出せなくなりやすいと考えられます。

曖昧さに耐えて理解を深めるための3ステップ

「認知的完結欲求」自体は誰にでもある自然な傾向であり、完全になくす必要はありません。

大切なのは、曖昧さに耐える時間を意図的に確保することです。

ステップ1:「わからない」を記録して先送りにしない

授業や問題演習で「わからない」と感じた瞬間に、そのままにせず、

ノートや付箋に一言だけ書き留めます。「なぜここでこの公式を使うのか不明」のように、

疑問の中身を具体的に書くのがポイントです。

書き出すことで、曖昧な感覚が「あとで解決すべき具体的な課題」に変わり、

いったん保留にしても気持ちの負担が軽くなります。

ステップ2: 一つずつ潰す時間をあらかじめ決める

書き留めた「わからない」は、放置せず、1日15分などあらかじめ時間を決めて向き合います。

一度に全部を解決しようとせず、1回につき1〜2個に絞ることがポイントです。

曖昧さに耐える時間をあらかじめ区切っておくことで、「いつまでもわからないままではない」

という見通しが持て、丸暗記に逃げたくなる衝動を抑えやすくなります。

ステップ3:「今はわからなくていい」と自分に許可を出す

どうしても理解できない部分に出会ったときは、「今日のところはわからなくていい」

と自分に言い聞かせる練習も必要です。曖昧なまま次に進むことに慣れると、

無理に丸暗記で埋め合わせようとする反応が徐々に減っていきます。

わからないことを翌日以降に持ち越してよい、と決めておくだけでも気持ちは楽になります。

丸暗記が向いている場面・不向きな場面

丸暗記そのものが悪いわけではありません。情報の性質によって、丸暗記が向く場面と、

理解を優先すべき場面が分かれます。

丸暗記が向く場面 理解を優先すべき場面
英単語のスペル、元素記号、年号など、意味そのものを問われにくい情報 公式の使い方、化学反応の仕組みなど、応用して考えることが求められる内容
暗記したことをそのまま答える一問一答形式の確認 初めて見る条件・言い回しで出題される応用問題・記述問題

迷ったときの目安は、「暗記した内容の意味や理由を、

自分の言葉で人に説明できるか」です。説明できない場合は、

理解を優先すべき場面である可能性が高いといえます。

一人で抱え込まず、わからないを相談できる環境を作る

ここまでのステップは、一人でも取り組めます。ただし、忙しい受験期に「わからない」

を記録しても、それを相談できる相手がいないと、

結局は丸暗記で乗り切るしかなくなってしまうこともあります。

My Self_Learnでは、確認テストで理解度を可視化し、

わからない部分を早い段階で講師に質問できる環境を用意しています。「なんとなく覚えたつもり」

で終わらせず、理解して使える状態まで確認したい方に向いている選択肢です。

また、覚えた知識を理解に変える

具体的な方法を知りたい方は

「なぜ」を問う勉強法の記事も

参考になります。理解した内容を

忘れにくくする復習の仕方については

忘却曲線を使った復習スケジュールの作り方

詳しく解説しています。丸暗記そのものの覚え方を

効率よく進めたい方は

暗記のコツ|大学受験で覚えたことを忘れない基本原則

あわせてご覧ください。

丸暗記に走ってしまうのはなぜ?「認知的完結欲求」から抜け出す勉強法:まとめ

・「早く答えを知りたい」気持ちの強さには「認知的完結欲求」という心理が関係する

・丸暗記だけに頼ると、応用が効かず、忘れるスピードも速くなりやすい

・「わからない」を記録し、時間を決めて向き合い、「今はわからなくていい」と自分に許可を出すことが対策になる

・丸暗記が向く情報と理解が必要な情報を見極めることも大切

「とりあえず覚える」ことは、悪いことではありません。ただ、

その裏にある「早く答えを確定させたい」という気持ちの仕組みを知っておくと、

曖昧さに耐える練習を少しずつ始めやすくなります。今日紹介した3つのステップを、

まずは1科目・1単元から試してみてください。

・勉強しているのに成績が伸びない
・化学の点数を上げたい
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